米国コロラド州ボールダーの自宅でのインタビュー。 適時このサイトに連載します。

New! 第12回 福岡国際マラソンでの出会い(その2)

編集部: 誰が来たのでしょうか?

ショーター:  ケニー・ムーアが 「フランク。 彼がH氏だよ。」 と言いました。 私達はすぐにバーを出てロビーに向かいました。 あの34年前の事を私は今でもはっきりと憶えています。
「ムーアさん。 またお会いできて嬉しいです。」 「やあHさん! こちらは僚友のフランク・ショーター選手です。」 ケニーは私達を紹介してくれた後、「さあ。フランク、お待ちかねのH氏だぞ。」 と言って私の言葉を促しました。 
私はH氏の顔を見て、長い間探していたものをやっと見つけたような感じだったのです。 私は握手の手を差し伸べながら 「あなたがHさんですか。 ケニーから貴方のことはよく聞かされていました。」
ケニーが 「Hさん。 貴方のことは昨年の福岡国際マラソンが終わってすぐにフランクに話をしました。 彼は昨年貴方が私に作ってくれた“オーホリ”の話を聞いて貴方に手紙を書いたのです。」「えっ。ショーターさんが私にですか?」 とH氏は少し驚いた様子でした。 H氏は私からの手紙を受け取った覚えがないと答えました。

編集部: 貴方はH氏にシューズの件で事前に手紙を出していたのですね?

ショーター:  この年の6月、私はケニーと一緒に初めてのフルマラソンを米国内で走りました。 H氏の勤めていた会社製の市販シューズを履いてケニーに続いて2位になったのですが、うまく足にフィットしていなかったのです。 それで8月の南米コロンビアで行われるパン・アメリカンゲームのマラソンにケニーから聞いていた “オーホリ” をぜひ履いてみたくてH氏に手紙を出していたのです。

 「それは大変失礼をしました。 幸い今回は予備の “オーホリ” を沢山持参していますのでぜひ試し履きをしてください。」 とH氏は言いました。 「ええ! もちろんいいですとも」 直ぐに私たちはH氏の部屋に行きました。 彼は大きなバッグの中からまだ接着剤の臭いのする真新しい革製のマラソンシューズを取り出しました。 ケニーのシューズはピッタリでした。 「OK。 Hさん。 有難う。 こいつで走りますよ。」 とケニーは喜んでいました。 つぎは私の番でした。 

 H氏から渡されたシューズに私は慎重に紐を通した後、つま先、かかと、アキレス腱、くるぶし部分をチェックしました。 「どうでしょうか? ショーターさん。」 とH氏は私の顔を伺うようにして尋ねました。
「そうですねえ。 確かに素晴らしいシューズですが・・・・・」 と私は言葉を捜しました。 ケニーが 「どうだい。 いいシューズだろう。 何か具合でも悪い部分があるのかい?」 と聞きました。 出来具合は完璧に近いのですが私の足幅には明らかに広すぎたのです。
「うーん。 すこし幅が広ですね。」 と私が言うと、H氏は 「でもこれは、欧米選手向けの足幅の狭いシューズなのですが」 と答えました。

次回をお楽しみに・・・・・・・

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